作品事例4(3次元CAD実務での運用)
3次元CADがようやく実務で運用でき始めた2000年ころの作例です。
ここではクライアントであるタイガー魔法瓶さまの事例で紹介させていただきます。
通常、工業デザイン業務ですと守秘義務契約が厳しく以前のデザインを公のHPなど
に掲載することはできませんが、タイガーさまは雑誌・HPでも掲載していただいて
OKという了解を頂いております、感謝です。
電気給湯ポットの上ケースのみのデザインリニューアル案です。操作パネルから開閉
レバー・押し板までの連続性を意図した造形です。
ですが、このデザインは市販化されず、オーソドックスな案が採用となりました。
I-DEASでモデリングを行い、ソリッドシンキングでレンダリングを行っています。
ローコスト炊飯ジャーのデザインです。
通常炊飯器は釜サイズが2サイズあり、それぞれに筺体ケース・金型が必要になりますが、
このときの提案は釜の直径を統一して底・フタなどの共通部品を増やし開発コストを抑える
というアイデアでした。
このデザインは商品化されました、2003年ころです。このときはthinkdesignでモデリングを行い、ソリッドシンキングでレンダリングを行っています。
thinkdesignは良いソフトでしたが、その当時のバージョンは履歴の持ち方に
問題があったのでだんだんと使いにくくなりました。そして、完全に履歴で管理できる
SOLIDWORKSに変えていくことになります。
ここから下はキュウプロダクツからの持ち込み提案デザインです。
(報酬をいただかない、持ち出しの提案という事です。)
2004年に初代iPodminiが誕生し、そのデザイン・カラーに触発されてデザイン
提案したステンレスボトルです。アルミの場合はつや消しアルマイトの色の出方がなんとも
美しく良い感じですが、ステンレスの場合は少しギラギラした感じがでる不安もあり、結局
デザイン採用とはいたりませんでした。
このときはthinkdesignでモデリングを行い、3DS MAX VIZでレンダ
リングを行っています。
2005年ごろ提案した小型の卓上網焼き器です。
少人数での食卓で直火の焼き物を楽しもうというコンセプトで提案したものです。
企画意図の独身おひとりさま・老夫婦など小さなサイズの調理家電のニーズは高まる
との評価はいただきましたが、煙の問題・ヒーターの能力など直火での性能が完全では
ないので採用とはなりませんでした。
このときはSOLIDWORKSでモデリングを行い、3DS MAX VIZでレンダリングを行っています。
2007年ごろ提案させてもらったカラビナ式のレディース用ステンレスマグです。マイボトルは
エコに貢献すると同時にペットボトルドリンク代の節約になるので、定番商品になること
まちがいなしです。でもデザインがいまいちオシャレじゃないと思っている女子に向けて
デザインしました。
モデリングはSOLIDWORKS2007で行い、STEPデータをPower Transrator Basicを経由して3DS MAX DESIGN 2009に持っていきます。3DS MAX DESIGN 2009にはシェーダーとしてメンタルレイ
が装備されています。そのなかの、カーメタリックペイントのマテリアル設定の練習も兼ね
てレンダリングにこだわりました。
スキッと切れの良いレンダリングにできていると思うのですがどうでしょうか。
2009年ごろ提案させていただいたホテル用の電気ケトルです。
樹脂ボディの市販モデルに比べ、高級感を演出しています。
無垢の削りだし銘木でハンドルを作っています。
このレンダリングはSOLIDWORKS標準のPhotoView 360で
行なっています。CADのレンダラーで十分綺麗な絵が描ける時代に
なりました。ちなみにPhotoView 360はCGソフトMODO701の
レンダラーなので美しいのは当然ですね。